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「小さくて狭いけれど、なんだか落ち着く自分だけの場所」家の中にそんなスペースがあったらいいな…と考えている人はいませんか。おうち時間をより快適に過ごしたい方に注目されているのがヌックです。
ここでは、注文住宅で人気が高まっているヌックに関する基礎知識をまとめました。
ヌックとは、部屋の一角にある「こじんまりとした居心地の良い場所」という意味を持つ言葉です。中世のスコットランド住宅では、暖炉のそばに設けられた腰かけを「イングル・ヌック」と呼びました。それが由来となり、仕切りがなく多目的に使えるこじんまりとした場所という意味で広く使われるようになりました。
ヌックの設置場所に明確な定義はありません。ただ、空間を個室のように壁や扉で仕切らず、段差や素材の違いでゆるやかにゾーニングしているのが特徴です。
リモートワークが普及し、おうち時間の快適さを追求する人が増えてきたことから、日本でも注目が高まっています。
扉や間仕切りがなく、リビングなどの空間とつながりつつもゆるやかにゾーニングされた空間は、家族の存在を感じながら自分だけの時間を過ごせるプライベートなスペースになります。
個室だとリビングにいる家族とは完全に隔絶してしまいますが、ヌックならテレビを観てくつろいでいる家族の近くでテレワークをしたり読書やゲームなど趣味の時間を楽しんだりできます。
階段下のスペースやちょっとした壁のくぼみなど、デッドスペースを有効活用できるのもヌックの魅力のひとつです。例えば、階段下の空間をヌックにして子どもの秘密基地的な遊び場にしたり、本棚を設置して図書室のようなスペースにしたりすることができます。
ヌックはこじんまりとした小さな空間さえあれば設置できるので、微妙に狭い空きスペースがある方は設置を検討してみてはいかがでしょうか。
ヌックを多目的なスペースにして家族全員で使うのもおすすめです。リビングの一角にヌックを設置すれば、子どもが小さいうちはキッズスペースとして、大きくなったら大人も使える書斎や読書スペースとして活用できます。
ヌックの壁際に作り付けのカウンターを設置しておけば、子どもは勉強に、大人はテレワーク用に空間にこもることができるでしょう。
心地よいプライベート空間を家族みんなでシェアすれば、それぞれの「おうち時間」がより充実したものになります。
ヌックを設置するには、当然そのぶんの建築費や材料費がかかります。作り付けのテーブルやベンチ、本棚などを設置するとなると、さらにコストは増大するでしょう。読書スペースにする場合、ヌックの設置場所によっては明かりをとるための窓や照明なども必要です。ヌックを設置する予算も考慮した上で住宅設計を進めなくてはなりません。
部屋の一角を削ってヌックを設置する場合、ヌック分のスペースが削られることになります。デッドスペースや広いリビングの一角にヌックを設けるのであれば特に気にならなくても、あまり広くない部屋を削る場合は居住スペースが狭く感じてしまう可能性があるでしょう。
ヌックによって収納スペースが狭くなることもあります。小さな家や狭小地の場合は、家全体のバランスをみながら慎重に設置することが大切です。
「最近のトレンドだから」という理由だけで、特に目的もなくヌックを設置してしまうのはおすすめできません。ヌックを設置しても使わなくなり、結局デッドスペース化してしまうリスクがあるからです。「扉や仕切りのない物置」になってしまっては、生活感がまる見えの残念な空間になってしまいます。
ヌックは、使う具体的な目的を決めてから設置を計画しましょう。
ヌックを設置するなら、基本的に家のデッドスペースになる場所がおすすめです。デッドスペースになりやすい代表的な場所として、階段下や柱のある壁の凹凸部分などが挙げられます。特に階段下は天井との高さが違うため、普通の部屋とは違ったおこもり感のある空間を自然と演出できます。
デッドスペースがない場合は、リビングやダイニングの片隅なども良いでしょう。
ヌックと呼ばれる空間は、扉や間仕切りで区切らない「半居室」が基本です。天井を低くする、床を一段上げるなど、段差をつくればドアで区切らなくても違う空間を演出できます。
高さを変えられない場合は、床の仕上げや壁紙などの素材を変えるだけでも効果あり。別の空間として認識させることができ、おしゃれなヌックに仕上がります。
ヌックを設置する前に、目的を明確にしておきましょう。目的がないまま漠然とヌックを設置しても、結局使わなくなってしまう可能性があります。用途に合った居心地の良い空間を実現するためには、「誰が」「いつ」「どのように」使うかを具体的にイメージしながら計画することが大切です。